江戸暦の読み方
2010.2.6こんどは暦の真ん中の列を見てみましょう。

一番上に大きく「歳徳」「金神」と書かれていますね。
「歳徳」とは歳徳(としとく)神のことで、万事に良い方角である「恵方」を指しています。
ちなみに、↓こんなお姿です。

歳徳神 - 立表測景暦日諺解より(当サイト所蔵品)
恵方という言葉は、昨今、「恵方巻き」で全国的に有名になりましたからご存知の方も多いでしょう。
恵方は、暦では「明(あき)の方」とも表記されます。
さて、「歳徳」の両サイドに小さく書かれた文字、何と書いてあるか分かりますか?
右側は「みむまの間」、左側は「万(よろず)よし」と読みます。
「みむま」って何だ?と思われたかもしれませんが、「み」は十二支の「巳」、「むま」は「うま(午)」のことなんです。
「巳」と「午」は、後で詳しく説明しますがこれは方角を示していて、午は「南」、巳は「南東」です。
ですから「みむまの間」というのは「南から南東の間の方角」ということで、その方角が「万よし」と書いてあるわけです。
つづいて左の「金神」です。
「金神」は、字面だけ見ると何だか縁起が良さそうな感じですが、実は凶神で縁起の悪い方角を表します。
ちなみに、古文書には↓このような姿で描かれています。

▲金神 - 立表測景暦日諺解より(当サイト所蔵品)
うわぁ…コイツは確かにヤバそうですね(笑)
さきほどの歳徳にしてもこの金神にしても、どちらも現代人には馴染みの薄い用語ですので、「歳徳」は「吉」、「金神」は凶、と頭の中で置き換えて見た方が現代人には分かりやすいかもしれません。
で、ここでは「ね(子)うし(丑)さる(申)とり(酉)」がこの年の不吉な方角と書かれていますね。
これら吉凶の方角を東西南北の図で示したものが中央最下段の円盤になります。

北ではなくて南が上なので注意してください。
さきほどの歳徳で「みむま(巳午)の間」と書かれていたのが図の「あきの方」と書かれた方角で、これがいわゆる「恵方」になります。
そして子、丑、申、酉の方角には「金神」と書かれていますね。これが「よくない方角」というわけです。
その他、「さいせつ(歳殺)」、「さいは(歳破)」、「へうひ(豹尾)」、「大おん(大陰)」、「さいけう(歳刑)」、「わうはん(黄旛)」などと書かれているのは八将神という八人の方位神のことで、それぞれに意味があるのですが、長くなりますのでここでは詳しく説明しません。
艮の方角には「きもん(鬼門)」と書かれていますが、これは年によらず不変で、いつもこの方角です。
北の、子の方角には金神と併せて「ふさがり(塞がり)」と書かれているのは天一神のことなのですが、これについては後で説明します。



