農事暦
2010.2.5
暦は人々の日常生活には欠かせない存在ですが、とりわけ農民にとっては年間の農作業スケジュールを立てるために必要不可欠なものであったことは言うまでもありません。
しかし意外なことに江戸時代には、はっきり「農事暦」と謳った農民向けの暦は存在しませんでした。
おそらく、「どの時期に何をすべきか」という作業工程は経験則から全て分かっていたため、目安となる季節の変化だけが把握できればそれで十分で、普通の暦に書かれている暦註や二十四節気などで事足りていたのではないかと思います。
しかし、月日の変化は暦で追えても、その年の気温や雨の量など、農民にとってより重要な「気候」の変化までは暦から読み取ることはできません。
そうした年間の気候予測を立て、豊凶を占う役割を担ったのがここでご紹介する「晴雨考」です。

晴雨考とは、天文学に基づいてその年一年間の気候を予測したもので、本来は冊子形式ですが、略暦のように要点をまとめた1枚物の簡略版も作られました。
このタイプはまさに農事暦という感じで、ちゃんとその年の月の大小も書かれていてカレンダーとしても使えるようになっています。





